kikiki

経済学部生のメモメモ

どの産業に行けば安泰なのかわからないので、潜在的労働需要がある市場がないか調べてみた。

1.はじめに

 「高齢化によって医療・福祉への需要が高まっている」ということがしばしば聞かれる。一方で、そうした潜在需要を捉えきれておらず、この分野での雇用創出が不十分であるとの見方もできる。さらに、医療・福祉を含むサービス産業全体についても、雇用創出の機会を生かし切れていないとの見方がある。本当に医療・福祉産業には潜在的労働需要があるのか「リリエン指標」をキーワードに考察する。

*リリエン指標とは各産業における雇用増減率と全産業の雇用増減率の乖離を集計したものであり、これが大きいほど産業間における雇用の変動が活発であることを示す。

2.本論

 我が国における産業別の就業構造はどう変化したか「リリエン指標」の計測を通じて、観察する。

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 この計測結果を見ると、次のような特徴が分かる。

 2000年代前半にリリエン指標が高水準となっている。この背景には、企業全体として「過剰雇用」を抱えていたため、失業率が高止まりするなど厳しい雇用情勢が続いていたが、産業間の雇用変動が活発であったことが分かる。具体的には、製造業、建設業、金融業などで雇用が減少する局面も見られた一方、医療・福祉、物品賃貸業・事務所サービスなどでは雇用を大きく増加させた。

 1990年代以降、医療・福祉、対事業所サービスなどは一貫して雇用を大きく増加させている。また、寄与は小さいものの、その他サービス業(対個人サービスなど)も雇用吸収部門と見ることができる。これに対し、製造業、金融、卸・小売がすう勢的に雇用の伸びが低い産業である。

 以上のことからリリエン指標が高い割には成長率、雇用増加率が低く、産業間の活発な雇用変動が経済成長につながらなかったといえる。

3.結論

 市場規模拡大にともない潜在的労働需要が期待できる医療・福祉市場へいくのが良さそうだとわかった。

 あと医療・福祉業界の平均年収は日本の平均年収を超える。

(*介護職員を除く)

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